TOP > D.C.II S.S. ~ダ・カーポII セカンドシーズン~ 第9話「壊れゆく春」
 ← 女性声優140人ソート | TOP | とおかめー

リストマーク スポンサーサイト 

--年--月--日 (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[--.--.--(--) --:--] スポンサー広告 | Trackback(-) | Comment(-)
↑TOPへ


リストマーク D.C.II S.S. ~ダ・カーポII セカンドシーズン~ 第9話「壊れゆく春」 

2008年06月03日 ()
「うむうむ。これは良いサイコホラー。切ないまでの歪みに満ちた全能の神を治めようと自らの命を捧げる老純一。ここまで含めてさくらさんの願いの範疇であったと思えばまさに計画通り。芳乃さくらという老婆もまた、自らが生み出し、“初音島の住民の善意と悪意によってすくすくと育った”ところの心の怪物である「枯れない桜」を制御するためにその身を神に捧げたわけだけれども、果たしてその考えの奥に、期待するきもちというのはあったのではないかな。君どう思う?」
「いやはやまったく、無印を視聴せぬままここまできてしまった自らに対して慙愧に耐えぬと言わざるを得ない。芳乃さくらという魔女のパーソナリティというものに対して我々は余りに無頓着過ぎた。D.C.S.Sにて現れたツインテールの少女は既にその心根のほとんどを小さな体躯の深層に沈降せしめていたから、その立ち居振る舞いの端々に抗い切れぬ想いの丈を覗うことはできたとは言え、どれだけの抑圧が彼女の精神を蝕んでいたかについては皆目見当がつかない。ただひとつ言えるとすれば、朝倉純一という存在が【ああいった状況】で起こす行動を芳乃さくらともあろう者が推察できぬということはあるまい、ということだ」

「むべなるかなだね。ある意味においては朝倉音夢よりも純一に近き存在であった彼女のことだから、おそらく今回の展開もきっと少なからず念頭に置いていたに違いあるまいね。ま、その行動の全てを予測はしていなかったにしても、彼が自分の不始末を放っておかないことはきっと承知していただろう。その心境はいかばかりだっただろうか。50年の時を経て呪われし祝福の桜と一体化することによって図らずも最愛の存在と一心同体の境遇となる事。それが恐らく彼女にとって本望であろうというのは一片も疑いようのない部分だとは思われるが、しかしてその過程そのものを彼女は歓迎できるのだろうか」
「それはどういった趣旨の発言か?」
「つまり、結果として一体化することになったとしても、それはあくまで純一の優しさに依るだろう、いうことさ。芳乃さくらが求めて止まないのは、彼の善意/彼の強さ・優しさからくる万物に注がれる光のような愛情ではなく、あくまでも自らにのみ向けられ捧げられる歌声のような愛情であったと自分は見ている。独占欲や嫉妬といった感情に裏打ちされる幼稚で心許ない、だがだからこそ純粋で強くある原初的な想いをこそ彼に求め、抱かれたかったはずだ。家族に対する思いやりではなく、魂の伴侶/パートナーとしての居場所を彼の心に求めてしまう彼女のアイデンティティの不安定さ、幼稚さ。いみじくもその成長することのない外見に彼女の未熟で愛らしい精神がそのまま反映されているというのはこの作品の何とも優れた演出力の賜物と言えなくもないかも知れない。これこそまさに秀逸なユニバーサル・デザインではあるまいか」
「それは皮肉のつもりで言っているのか」
「上手いこと言ったつもりなんだがね。まあ所詮ぼくの脳髄が捻り出せるものなんて屁のようなものだ。聞き流してくれてかまわないよ」
「そうさせてもらうが、まあわからぬでもない。どれほど時間が経とうとも成長できぬということの歪みがあのロリ体型に象徴されているとすれば、まさにこのD.C.という作品そのものが内包する歪み、それこそがこの作品の特色でもあり魅力でもあると言ってしまえるものな。この作品が他のどんな『数あるギャルゲ原作萌えアニメ』とも一線を画していると主張する所以ともなろう」
「いや、それは言いすぎではないかな」
「だがそうして見ると、芳乃さくらという老女が53年という長きに渡って“愛する者と同じ時を刻めなかった”とすれば、その苦しみというのは決して彼女にとって楽なものではなかったろうな。時を刻み想い出を重ねるという、すべての生命に平等に与えられた権利を芳乃さくらは享受できなかった。もちろん、同じように年輪を重ねるのは不可能であっても、想い出を共有することはなるほどできたかもしれないが、D.C.S.S.の彼女を鑑みれば恐らくは自ら拒んだであろうことは想像に難くない。同じ相手を愛した盟友であり仇敵である朝倉音夢に全てを委ね、彼女は身を引いただろう。それは大方前向きな決意ではなく後ろ向きな逃避であったのだろうが」
「そしてその不健全な逃げの結果が、桜内義之という真実とも虚偽ともつかないどっちつかずな存在を生んだというわけだ。業が深いというかなんというか、いやはや魔法というのは恐ろしいものだね」
「魔法は所詮、ベクトルを持たない力であり道具に過ぎんがね。力は使う者の心に依存する。それは巨大ロボットであろうが、核兵器であろうが変わる事のない事実だな。真に恐るべきは人の心なり。『道具ならば使いようはあるはずだ』そう嘯いた主人公もいたことだから絶望する必要もなかろうが」
「∀ガンダムとはまたえらいところから引っ張ってきたものだ。でも、確かにそうだ。今回の引きは往年のロボットアニメを彷彿とさせたよ。最終回あたりに天枷美夏に颯爽と登場してもらって桜の木をむんずと引っこ抜いて大見得のひとつも切ってもらえれば爽快感も出るかもしれないね。それはもはやダ・カーポではないかもしれないけれど」
「ふむ、どうせならシリーズ物の強みで全員集合までして欲しいところだが。しかしまあ、恋愛に切った張ったしているだけの甘ちゃんな作品であることを越えて大仰なことになってしまったものだな。朝倉姉妹の想いの行方なんてどこ吹く風ではないか?」
「それもまた良し、ではないかな? シリーズ通してのヒロインである芳乃さくらという人物への救済がこの作品における第一義とみて視聴している身としては、今の展開は至極順当であると認識してはいるけれどどうだろう。音姫、由夢の恋の行方だ、想いの成就だを念頭に置いて視聴している層にとってはきっと気が気ではないのではなかろうか。そう、true tearsを見て乃絵エンドだ比呂美エンドだというような事に気がいってしまう人達にとっては決して面白くない結末というのも少なからず路線の内には含まれているだろうからね」
「石動乃絵な。思い出してしまうものよな、やはり」
「それは仕方ない。あやひーもまだまだ発展途上というわけだろう。改善の余地があるのは喜ぶべきことだよ。むしろ問題はすっかり影の薄くなった雪月花の連中とかじゃないのかな。ま、いずれにしろ彼女らの見せ場なんてものはおそらく最早望むべくもないだろう。今期のダカポは恋愛アニメじゃないのだからそこは寛容さをもって受け止めるべし」
「むしろダ・カーポという作品そのものが多層構造をもって作られている節はあるな。前述の通り、無印については言及しようもないのでさて置くにしても、D.C.S.S.にしてもD.C.Ⅱにしても、主人公の視点からは『恋愛』というファクターがまるまる抜け落ちているというか、演出として『恋愛』を描こうという意図が一切見られないのがアニメにおけるダ・カーポという作品の特徴であると感じる。公式カップリングはしっかとされているにも関わらず、そこに愛というものを想起させる生々しい感情を込めることを拒否しているように自分には見えるのだ」
「それがこの作品の答え、ということなのだろうね。あの主人公の素っ気無さ、ともすれば薄情と取られかねないくらいのアクのなさは、すべてのヒロインに公平で平等な愛情を注いでいる結果と見ることもできるのだし。現実的にはヒロインの1人との婚姻という結末がアニメ版D.C.S.S.という作品では描かれたわけだけれども、それが今作に引き継がれているか、といえば、一概に頷く事はできない。少なくともアニメを視聴している範囲内では無印/S.S.との連続性は明らかにされていない。朝倉純一の伴侶としての前作ヒロインはその存在そのものがおぼろげで、そういう意味では芳乃さくらというのは現状、無印時代から引き継いで存在が確定している唯一無二な生命体と呼べるのだよね。他のヒロインは量子的揺らぎの中でたゆたっているシュレーディンガーの猫だ」
「ん、水越姉妹や鷲沢頼子には言及されておらなんだか?」
「ま、ほのめかす程度にはね。それこそ老人のたわごとで終わらせることもできるくらいの精度だよ。それよりもさくらの視点を戻そう。前回、さくらは髪を切った。このことについて少し言及してみようか」
「BL的視点で見れば、自らの髪を切らせるというのは対象に対しての最上級の親密さの表現である、とガンダム00の第二期EDの説明あたりで見たな。まあ、要はそういうことなのだろう」
「いや、断髪式というのは“後ろ髪を引かれない”つまり不退転の決意を示す儀式だろうよ。女の命ともいえる髪、特に芳乃さくらのそれは足掛け70年にも及ぼうというお兄ちゃんへの想いを吹っ切るためのそれであろうから、それこそその決意というのは並大抵のことではなかったのじゃないかな」
「ああ、そっちか。確かに由緒正しき日本の伝統として心機一転、新たな出発という意味は込められているだろうが、自分はさくらが想いを吹っ切ったとは到底思えぬよ。兄からの卒業、兄からの自立。例えばそれを端的に示すのであれば、彼女は彼を“お兄ちゃん”と呼ぶべきではなかった」
「その辺は儀式的なものじゃないかな。呼び方というのは確かに端的に関係性を示しやすい部分ではあるけれど」
「つまりは切り替えの問題といえるわけだろう。さくらは最後まで純一との擬似兄妹関係を切り捨てることができず、かといって女として純一を求めることも捨て切れなかった。実際にはどうか知れたものではないが、さくらは髪を切ってもさくらのままだったし、義之は相変わらず答えを出さない。ということはやはり、さくらの深層では何一つ変わることなく、ただ、自分の不始末は自分でつけようというそれだけを彼女は決めた、それだけだ。しかも恐らく、心の奥底ではどんなかたちであっても純一が自分を決して見捨てる事がないことに甘えようとしていた節もある。結局のところ、彼女は臆病さからの脱却を果たし得ていない」
「さて、どうだろう。ぼくにはまだわからない。先を見守るほかに方策はなかろうね。ぼくの望みを言うなら、さくらには止まった時から解放されて欲しいところだけれど」
「それを全能なる神が許すかどうか。傲慢なる神、すなわち初音島の桜は人の願いを吸い上げる。貴様の望みもまた吸い上げられるのであればあるいは可能性はあるやも知れんよ?」
「心にもない事を口にするものではないよ。君はこう思っているんだろう。信者は芳乃さくらが年老いていくことを望むことはなく、そして呪われし桜の木はきっとその想いを吸い上げ続ける。つまり、桜の木の奇跡、桜の呪いを生み出しているのは他ならぬぼくら自身なんだ、とね」
「南無三。実に良くできたシステムだな、初音島の桜というのは。さて、話題もループしたところで今回は締めとする。ああ、我々が誰であるとか、そんな些細なことは気にする必要はない」
「ほい、お疲れさまー。やはりアレだね。たとえ形だけでも言葉を交わすことによって引き出されるものはあるね。そういうことを思い出させてくれた方に感謝の意を表しつつ。さらば。」
スポンサーサイト
[2008.06.03(Tue) 23:40] 雑記・アニメその他Trackback(0) | Comments(0)
↑TOPへ


 ← 女性声優140人ソート | TOP | とおかめー

COMMENT

COMMENT POST















管理者にだけ表示

Trackback

この記事のURL:
http://anitamx.blog61.fc2.com/tb.php/784-eebede39
 ← 女性声優140人ソート | TOP | とおかめー

PROFILE

ENTRIES

COMMENTS

TRACKBACKS

CATEGORY

お知らせ

CALENDAR  

ARCHIVE

SEARCH

RSS

LINK LIST

Powered By

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。