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リストマーク true tears #12 

2008年03月28日 ()
 自分の目にttはこう見えているよ、というまとめ。解釈というやつかな。
 ダラダラと長いからそれでも大丈夫なひとだけどうぞ。

 眞一郎は、乃絵の瞳に映りました。それまで自分のすべてを受け入れ、愛してくれたおばあちゃんが亡くなった後、ずっと空を見上げ続けていた彼女の視界に入ってきたからでした。

 石動乃絵という女の子の愛情のうつわは、ほんの小さな、そう、両手で包み込めるくらいのものでした。それでも、幼くてちいさな乃絵の心から湧き出す愛情のしずくを受け止めるにはじゅうぶんなしろものだったので、乃絵は気にも留めていませんでした。それに、あまり大きなうつわはかえって重くて乃絵の手には余るおそれがあったのです。

 まだちいさなころの乃絵は、愛情のうつわに満たした愛情のしずくをみんな大好きなおばあちゃんに差し出していました。おばあちゃんはいつも、乃絵に愛情のしずくをいっぱい注いでくれたからです。それで乃絵はしあわせなのでした。

 おばあちゃんが亡くなるとき、乃絵はじぶんの愛情のしずくをぜんぶおばあちゃんに差し出そうと思いました。そうすることでおばあちゃんがいなくなってしまわないように願ったのです。

 そんな乃絵に、おばあちゃんは「涙はおばあちゃんが空へ持っていってあげる」と言いました。それは、おばあちゃんなりの優しさでした。もうこれ以上おばあちゃんのために涙を流さなくていいよ、という信号でした。今までおばあちゃんに注いでくれていた愛情のしずくを、これからは他の誰かに注いであげられるように、愛情のしずくが涙になってそのまま消えてしまわないように。乃絵は不器用だからいつまでも泣きつづけて、愛情のしずくを誰にも注げないでいるような子でしたから。

 でも、乃絵はそのことばをほんの少し間違って受け取ってしまったのでした。乃絵にとって、涙は愛情のしずくそのものでした。その愛情のしずくをおばあちゃんが空に持っていくということは、乃絵の元に愛情のしずくは残らないということだったのです。
 乃絵はそれでもまんぞくでした。大好きなおばあちゃんのためだったからです。乃絵はいつだって、おばあちゃんに愛情のしずくを注いであげつづけたかったのです。それをしなかったら、乃絵はおばあちゃんを忘れてしまうような気がして怖かったのです。

 いくつかの年月が過ぎて、乃絵は泣きたいと思う事がたびたびありました。でも、涙は出てきませんでした。おばあちゃんに涙は全部あげてしまったからです。涙を流すということは、うそをつくことでした。おばあちゃんにあげたはずの愛情のしずくを自分の都合で使うことだったからです。乃絵は心の中ではわかっていました。自分の中には流せるはずの涙が、つまり愛情のしずくが眠っているのです。でも、気がつかないふりをしていました。それに気がついてしまうことは、自分が空に涙を帰すという約束を破るということになるからです。乃絵の約束は、自分の流す涙は全部空に帰すことでしたから、自分の中に涙が残っているはずはないのです。

 このときの乃絵は、まだ知りませんでした。愛情のしずくというのは涸れ果てるものではなく、また、成長すれば少しずつその涌き出る量は増えていくのです。おばあちゃんに差し出すだけのしずくを空に帰していたとしても、きっと彼女の中にはしずくは残るでしょう。でも、それを受け止めるだけのうつわを、彼女は持っていません。彼女のちいさなうつわは、空に帰す涙を受け止めるので精一杯だったのです。

 いつしか乃絵のこころの中には愛情のしずくが溢れかえり、今にもこぼれ落ちそうなのでしたが、乃絵はそのことに気がついてないつもりでいました。自分の中の愛情のしずくは天に帰っていると信じていたかったのです。
 けれど、心の奥底ではとっくにわかっていました。このままでいれば、おそらく乃絵の心は愛情のしずくがおさまりきれず、壊れてしまうでしょう。涙を流せるようにならなくてはいけないことを、乃絵はこころのどこかでずっと感じていたのです。

 そんなときでした。彼女の目の前に眞一郎が飛び込んできたのです。
 眞一郎は、乃絵に愛情のしずくをくれました。だから、乃絵は彼に愛情のしずくをあげたいと思いました。でも、乃絵の愛情のしずくは今も空に帰されています。愛情のしずくを眞一郎にあげられない乃絵は、せめて食べ物を差し出すことで眞一郎を繋ぎとめたいと思ったのでした。

 乃絵は思います。彼が空を飛べたなら、空に帰っていく自分の愛情のしずくを集めてくれるに違いない。それまでは、赤いまごころの色をした天空の実を彼に差し出そう。天に近いところに成るその実ならば、少しでも自分の愛情のしずくを集めていてくれるかもしれないから。

 眞一郎は、乃絵をすきだと言ってくれました。自分に愛情のしずくが注がれるのを乃絵は感じられて、とても幸せでした。彼の描く絵本は、乃絵の涙を取り戻す誓いが記されていました。乃絵はとても嬉しく思いました。その絵本が完成したとき、乃絵は涙を取り戻すことでしょう。

 けれど、乃絵は見てしまいました。眞一郎は、湯浅比呂美に愛情のしずくを注いでいたのです。湯浅比呂美の愛情のしずくも、彼に注がれていました。
 乃絵は、自分に注がれるぶんのしずくが比呂美に注がれているのだと思いました。本当のところは、眞一郎の愛情のしずくは乃絵にも比呂美にも注がれていたのですが、これまでたった1人にぜんぶ、というかたちでしかしずくを差し出したことがなかった乃絵にとって、そんなことは思いもよらないことだったのです。

 比呂美は、眞一郎のことを良く知っていました。ちょうど同じころに知り合った愛子という女の子ですら、乃絵よりも眞一郎のことをわかっていました。
 乃絵はその時、自分が眞一郎のことをちゃんと見ていなかったことに気がつきました。乃絵は眞一郎の向こう側にある空をずっと見ていただけだったのです。そんな乃絵に、眞一郎は付き合ってくれていたのです。自分は眞一郎を好きになってはいけないと乃絵は思いました。眞一郎はまごころをくれていたのに、乃絵は眞一郎にまごころをあげられない。

 乃絵は、どうしていいかわかりませんでした。でも、本当はわかっていました。
 乃絵の中には愛情のしずくが溢れていて、それは大きな愛情のうつわをもって受け止めることで外に出すことができるのです。そのうつわを乃絵は手に入れなくてはいけないのです。
 大きな愛情のうつわは、逃げていては手に入りません。見たくないものから目をそらしていては手に入らないのです。そして、それを手にいれれば、おばあちゃんに注いでいたぶんのしずくはそのままに、さらにいろんな人にもしずくを差し出すことができるのです。そう、眞一郎にもです。


 乃絵には優しいお兄さんがいました。石動純です。純もまた、自分の愛情のしずくを乃絵だけに注ぐような子でした。だから、乃絵がともだちから離れてふさぎこんでいたときも、ただ自分のしずくを乃絵に注ぐ以外、なにもできませんでした。乃絵が大きな愛情のうつわを手に入れる手助けをしようと思いつくことがなかったのです。

 乃絵は、純から注がれていた愛情のしずくを見ていませんでした。ともだちからもきっと、しずくは注がれていたでしょう。でも、乃絵はそれを見ようとしていなかったのです。それはあまりにもあたりまえでさりげないものだったから、おばあちゃんしか見ていなかった乃絵にはそれを見るだけの余裕がなかったのでした。

 純は、自分の間違いに気がつきました。自分の愛情のしずくは、妹にだけ注いでいてはだめなのです。いろんな人と、いろんな愛情のしずくをやりとりしないとだめなのです。そうすることで、妹の手助けをしてくれるかもしれない相手を見つけたりできたはずなのです。

 けれど、彼の愛情のうつわもやはり小さなものでしたから、自分のうつわをどうにかしないことには、純は乃絵の助けにはなれないのだと思い知ったのでした。乃絵しか見てこなかった彼には、大きなうつわを手に入れる手助けをしてくれるような相手はいません。彼自身ではどうしようもないのでした。

 眞一郎は、乃絵と正面から向き合わないといけません。乃絵の瞳に映るのは空だけでしたから、彼が飛ばなくては、彼女からちゃんと見てもらえないのです。眞一郎は飛ぶことを、正確には飛べないで落ちてしまうかもしれないことをずっと怯えていたけれど、乃絵は何の疑いもなく彼が飛べると信じてくれたのです。それが勇気となり、彼は飛ぼうと決めました。そのことはきっと、乃絵が大きな愛情のうつわを手に入れる助けとなるはずです。勇気は、大きな愛情のうつわの素なのです。


 春になれば、雪は解けるでしょう。
 そのとき、乃絵は見つけます。石と手袋で象った「のえがすきだ」の文字。それは、たしかに乃絵へ愛情のしずくが注がれた証。たとえその春先に、彼が誓いを立てた時と同じだけの愛情のしずくが彼女に注がれていなかったとしても、眞一郎の愛情は間違いなくあの時、乃絵に注がれていたのです。そのことは、乃絵が涙を取り戻すための勇気を得られる原動力になったはずです。

 大きな愛情のうつわを手に入れた乃絵は、きっと眞一郎の他にも愛情のしずくをあげたいと思える人に出会うことになるでしょう。しずくをくれる人とちゃんと向きあうこともできるでしょう。その時、乃絵は「まごころの想像力」というおばあちゃんのことばを、きっとわかることになるのです。
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[2008.03.28(Fri) 02:33] 雑記・アニメその他Trackback(0) | Comments(0)
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